謹賀新年！

あけましておめでとうございます。
本年も、色々とがんばっていく所存ですので、どうぞよろしくお願いします！
皆様にとって、２０１０年が良い年になりますように！

↑オリゼーは弟（２４歳大学院生/専攻は地質学）のリクエストでした（笑）
※かわいいものファンクラブはかわいいもの好きなら誰でも入れます。


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仕事中に思いついて（大晦日までお前…）描こうと思ったんですが、思ったように進まなくて、あとは文章にしようと思います。

（書いたあとに）大変恥ずかしかったです。

鬼男君がどうにも機嫌が悪い。苦虫かみつぶした顔。厳しい目元。腕組み。腕組みって警戒してるとかキョゼツしてるとかそういう意味なんだってね。の割には俺のほうしっかり見てるけど。監視されてるのかな？　でも俺なにをやったんだろう。わからない。
とりあえず振り返ってみる。くしゃん。くしゃみ。鼻をすする。ちょっと寒いかなと思ってたら、しっかりはんてん着てた。あれ、いつ着たんだろう。合わせを深くして、自分の状態を確認する。少し頭が痛いかな？　でも動いてれば気にならない程度だな。足元は厚めの靴下を履いてる。これも履いた覚えなし。うーん。
なーんであんなに機嫌悪いのかな。鬼男君は怒るときはそのまま刺すか蹴るか踏むかって感じだよね。怒った瞬間にもう攻撃してくるよね。やんちゃだなあもう！　でも、そういう風に攻撃してこないまま、じっと黙ってるのって、逆に凄く怖い。し、不安になる。あーあー、もう、直接聞いたれ。
「鬼男君」
「なんですか」
おおう、トゲトゲしいね。でも俺めげない。
「俺なにかやったの？」
「あんたの胸に手を当てて聞いてみたらどうですか」
腕組みはしたまんま、吐き捨てるように言って、鬼男君は視線をそむけた。
「いまじっと聞いてみたんだけどわからないんだ」
「……」
だんまりになった。視線合わせてくれないのはへこむや。
「わからなくてごめんね。謝りたいから、教えてくれないかな」
「…･･･」
ちょっとだけ表情が和らいだ、かな？　よし、もう一押し。
「ね、お願い」
ぺこっと頭を下げた。ふう、と息をつく音。視線を上げると、額に手を当てて、あきれたような顔の鬼男君。
「…………あんたが」
「俺が？」
表情を隠すように当てられた手の隙間から、ちらりと俺を見る目。すぐに逸らされた。
「正月だーって言って、僕も含め部下集めて宴を開いたはいいんですが」
「ああ、うん、」
ごめん覚えてない。綺麗サッパリ覚えてない。言われてなるほど、頭痛は酔いが抜けてないってことなんだ。
「呑みすぎで」
「うん」
「脱ぎ散らかして」
「うん…」
後始末が大変でした。
ぼそりと放たれた声には疲労の色が強く混じってる。ああごめん、ほんとに醜態を晒してしまったみたいだ。
「ごめんね。迷惑かけちゃったんだね」
「もともとない威厳をさらになくすようなことはしないでください」
おおう辛辣。そうだね俺そんなに尊敬されてないよねイカだもんね。
しゅんと肩を落として、もう一度鬼男君の顔を伺う。
目元を隠してる手のひら。表情がわからない。
「気をつけるよ。えーと、たぶん」
「多分じゃ駄目です」
「そうだね、ごめん」
理由も分かって、謝ったけど、なんだかすっきりしない。顔が見えないのがもどかしい。顔見せてよ。
あれ、もしかして。
「鬼男君、なにか、拗ねてる、の？」
さっと顔色が変わったのは見逃さなかった。
「なんでそう思うんですか」
「いーや、拗ねてる。さあ話してもらうよ」
立場逆転。表情を隠してるてのひらを強引にどかして、じっと鬼男君の目を見た。さっきまでの険な表情が打って変わって、怯えたように眉が寄る。
「……どうしても言わなきゃ駄目ですか」
「だって、聞かせて貰わなきゃ納得できないよ」
怒っていた肩がしゅん、と下がる。覚悟を決めたみたいだ。
「あのですねえ」
「うん」
見つめる俺の目に、居心地悪そうに顔だけそらして、鬼男君は言い放った。
「酒が入ってたとはいえ人前で脱ぐとかそういうのしてほしくないんですよだって僕以外の人には見せたく」
ないから、
尻すぼみになった言葉。肌の色の濃い鬼男君が、火を噴きそうなくらいに真っ赤になって。
で、それを見た俺は、どうやらにやけてしまったらしい。
「にやけんなこのイカ！」
捕まえてた腕とは逆のほうから爪が伸びた。ざっくり。
「ちょ、照れ隠しに刺すのやめてダメージでかいから！」
「刺さんとやっていられるか！」
「ああもういいムードになるかなって思ってたのにいいい」
思わず本音がこぼれた。だってこう、ねえ。
トゲトゲしてたあとの仲直りは、できるだけあまーいほうがいいじゃないか。
困ったように、ためらいがちに伸びてくる腕。
俺のほうから力を込めると、ぎゅうっと閉じ込めてくれる。
「…すいませんでした」
「ううん、おたがいさまだよ」
「今年もよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく。頼りにしてるよ」
「はい」
目を閉じたら、程なく柔らかい感触が降りてきた。