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暗い感情も持っていて欲しいなあと思ってこうなった。
午前様で帰宅したので頭があまり働いてませんし短いですが続きからどうぞ。
集中して本を読んでいるのに、背中にはりついてくる。邪険にも出来ずになすがままにしていたら、首にすがり付いて甘えてくるので構わざるを得なくなる。
しんしんと冷える夜に布団にもぐりこんできて、僕の足で暖をとる。冷え切った指先に体温がうつるには時間がかかって、それでも暖めてあげたくて結局僕の方から身を寄せる。大王は多分狸寝入り。寝顔が笑っているからわかる。
僕が作った料理はなんでも美味しいといって食べてくれる。残さないから食べ過ぎるので、最近は量を加減して作る癖がついた。
僕の書いた文字が好きだからといって、書簡は全部残してある。僕自身はあまり自分の字が好きではないけれど、「まっすぐで芯がしっかりしてるから好きだなあ、鬼男くんそのものだね」大王がそう言うなら悪い気はしない。
「僕」のなかに「大王」がいます。心のなかをいっぱいにしている。
それは僕にとってはとても自然なことなので、あなたにとってもそうであって欲しい。
毎日を僕と過ごして、大王のなかが僕だらけになって、そのうち破裂して、そのまま理なんか無視して二人でどこかへ行ってしまえればいいのに。
でもこうも思うんです。
僕の記憶とか気持ちとかそういうもので、あなたが充たされたときに。
僕が忽然と消えてしまったら。きれいさっぱり、魂ごと消滅してしまったら。
冥府の王に寿命なんてないですから、そう、永遠に。
永遠に忘れることのない傷を、刻むことが出来るでしょうか。
だったらそれもしあわせだ、と思います。永遠を生きるあなたのなかに、僕という傷が生き続けるのなら。
ああでも少し残念なこともあります。泣いてるあなたを見られないこと。
立ち直れないくらいに目をはらして泣いてくれますか。
声にならない声をあげて、もういない僕を呼んでくれますか。
もしそうなったら嬉しいです。
忘れられない傷になりたい。癒えることのない深いふかい傷跡に。
だから今は、精一杯あなたを慈しもうと思っています。
いつか居なくなる日まで。あなたが僕のために、泣いてくれるその日まで。