こっそりひっそり
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すんげええええ遅くなってしまってすみません!
ララモさんから頂いていた鬼閻小説です。なお掲載許可はだいぶ前にいただいています…
恋.愛.閻.魔.大.王/いつか届く詩で2つ書いていただきました。
恋愛~の方にはうp主のなんともいえず恥ずかしい絵がつきましたorz しかしこのシーンが一番描きたかったので後悔はしていません。
続きからどうぞ。
うp主ひとりで楽しむには勿体無さ過ぎるので、ぜひ読んでくださいノシ
もうあかん…見返すたびに閻魔のかわいさに身悶える。死ねる。鬼男交代してくれ。
---
うっかり何箇所か声を入れてしまいました、すみません。全部声当てたいくらいなんですが、それは流石に腹を切るどころではすまなくなるので(笑)自重。
ララモさんから頂いていた鬼閻小説です。なお掲載許可はだいぶ前にいただいています…
恋.愛.閻.魔.大.王/いつか届く詩で2つ書いていただきました。
恋愛~の方にはうp主のなんともいえず恥ずかしい絵がつきましたorz しかしこのシーンが一番描きたかったので後悔はしていません。
続きからどうぞ。
うp主ひとりで楽しむには勿体無さ過ぎるので、ぜひ読んでくださいノシ
もうあかん…見返すたびに閻魔のかわいさに身悶える。死ねる。鬼男交代してくれ。
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うっかり何箇所か声を入れてしまいました、すみません。全部声当てたいくらいなんですが、それは流石に腹を切るどころではすまなくなるので(笑)自重。
*恋愛閻魔大王*
「俺、鬼男君が大好きだよ」
イスに座っている俺から見える景色はまるでキミに占領されてるみたい。
小さくて広い背中に向かって俺は囁く。
「冗談言ってないでさっさと仕事してください」
筆を走らせながら囁きにもちゃんと返事をくれるキミ。
キミの肌は褐色で分りにくいけど、きっと赤くなってるんだろうな、だって筆の動きが早くなったもの。
きっと俺だけにしかわからない変化、なんでもない事だけど嬉しいなぁ。
「うん、大好き鬼男君」
閻魔帳に判子を押して俺はもう一度囁く。
死者の前だからかな?鬼男君は分りましたから、って怒ったように言った。
「だいすきー…」
今度は囁きよりも小さくか細く鬼男君の背中に言葉を贈った。
さすがに聞こえなかったのかな、鬼男君は何にも言わない。
死者の言葉も右から左に行進中。
ただの後姿なのに、どうしてこうも切なくなるんだろう。
俺より鬼男君のほうが大きいけど、ぎゅうって抱きしめて鬼男君を包んでしまいたい。
俺を置いてどこにも行かないように、俺だけに笑いかけてくれるように、俺だけに怒ってくれるように。
「大王!」
背中がくるりと返って見えたのは、眼鏡をかけた鬼男君の怒った顔。
俺は突然呼ばれたからポカンとしてしまった。
「いい加減にしてください、仕事くらいちゃんとしてもらわないと」
真剣に怒られるので俺もしゅんとなるしかない。
まぁ俺が悪いんだろうケドさ…でも、
「聞いてるんですか?大王」
「鬼男君のせいだ…」
呟きはちゃんと鬼男君の耳に入ったようで、何なんですか?と言う目をされる。
俺が仕事できないのも、つい遊んじゃうのも、キミの背中とか視線とか指の動きとか髪の流れとかが気になっちゃうのも、今俺が泣いちゃいそうなのも
全部全部ぜーんぶキミのせいだよ。
「責任取れー鬼男君!」
「分りました、責任は取りますから仕事してください」
すんなり承諾した鬼男君にビックリして思わず閻魔帳に視線が戻っちゃいそうだったけれど
ダメ、こんなんじゃ俺の気持ちは治まらないよ。
「嫌だ、もう仕事しない!」
「いい加減にしろ!この大王イカッ!!」
俺は鬼男君の怒った顔を見ないようにそっぽを向いた。
これで仕事熱心な有能秘書の堪忍袋の緒は簡単に切れたみたいで
こめかみから容赦なく爪が刺さってきた。敏感なところを毎回刺されて慣れるわけも無く、当然すっごく痛い。
反抗の手立てが無くなった俺は仕方なく仕事を再開させた。
「お疲れ様です、大王」
一日の仕事が終って、いつもの様に俺の前に置かれるお茶。
本当ならお菓子はないの?って聞くところだけど俺は湯飲みにも触れない。
当の鬼男君は大して気にもしないで本棚の書類を数え始めた。鬼男君のバカ…。
「前言撤回だー、鬼男君の辛辣ー」
またぼしょぼしょと言ってみる。どうせ聞こえてないんだから。
でも本当に口に出して嫌いだ、って言いたくない自分がいる。悔しいなぁ。
また視界には鬼男君の背中が映る。真面目で正直で辛辣な俺の秘書、俺の…好きな人。
「前言撤回は受け付けませんよ」
小さく聞こえてきた言葉に思わず耳を疑ってしまった。
目をパチパチして、え?と言わなかっただけ褒めて欲しい。
ううん、何も言えなかったんだ。今の俺には目をパチパチさせるだけで精一杯。
「聞こえませんでしたか、辛辣だろうが何だろうが前言撤回は受け付けません」
書類から視線を外して俺を見た鬼男君は一目で分るほど真っ赤になっていた。
どういう意味なんだろうって考えるのさえ野暮に思えてくる。キミも本当に素直じゃないなぁ。
「言ったからには責任、取らせて頂きます」
真っ直ぐ俺を見て言う鬼男君。こんな嬉しいこと言われたら頷くしかないじゃないか。
少しでも気を抜いたら涙が出てきちゃいそうで、自然と口は一文字に固まってしまった。
眼鏡を外した鬼男君が俺の机の前まで歩いてきた。
「そんな泣きそうな顔しないでください、泣く子も黙る閻魔大王でしょう」
「…鬼男君のせい、だ」
優しい笑顔で呆れられたように言われたら、涙は俺の泉から溢れ出てしまった。
嬉しいのか、悲しいのか、空しいのか、よく分からないけれど
鬼男君が机の向こう側から頭を撫でて慰めてくれているから、これも幸せだと思えた。
「鬼男君、大好きだよー」
手で一生懸命拭うけれど涙は止まらなくて、涙声で何度も大好きだと言った。
すると鬼男君は頭を撫でるのを止め、俺のほっぺに両手を添えてキスしてくれた。
「まったく、どれだけ僕の調子を狂わせれば気が済むんですか」
「たぶん一生」
短いキスの後、顔が近いまま鬼男君は苦笑いして言った。
鬼男君の顔も真っ赤だけど、俺はもう既に茹蛸状態だろうなぁ。
顔が沸騰して涙のお湯が沸かせるんじゃないかって思うくらい、顔がすごく熱かった。
でも、なんだかまだ足りない。もっと鬼男君を感じたい。もう俺、熱で顔が熔けても後悔しないよ。
「大好き」
「知ってますよ」
笑ってすっと離された鬼男君の手、胸の辺りが針でつつかれたみたいにチクチク痺れた。
俺は何も考えずに机の上に乗って、机の向うの真っ赤な鬼男君を捕まえた。
絶対逃がさないように、ぎゅうってしがみついた。
鬼男君が痛いかもしれない、なんて関係ない。俺の心臓もチクチク痛いよ。
「……好き」
気持ちが今にも破裂しそうな位、俺の中にあるのに出てくるのはこんな言葉ばっかり。
このまま俺が鬼男君のなかに入って気持ちを全部溶け込ませることが出来たらいいのに。
俺が机の上に座ってやっと、立ってる鬼男君と同じくらいか、ちょっと高いくらいの背丈になる。
溶け込ませる事ができないなら耳元でずっと、耳にタコができるくらい言ってやる。
「分ってますよ」
俺の背中と頭に腕を回しながら答えてくれる。
普段の辛辣秘書からは想像もできないけれど、これも鬼男君。それだけで愛しい。
「鬼男君は…?」
「そうですね、明日も仕事頑張るなら言ってあげますよ」
俺はどうしても鬼男君の口から聞きたかった。鬼男君からはまだ聞いてないから。
でも結局は仕事に行き着く。まぁキミは俺の秘書で仕事優先だろうけどさ、こんな時くらい、
「好きですよ、大王」
不意に左耳に響いた言葉、それは何なのか理解する前に素早く顔が反応した。
思わず鬼男君の肩に顔を埋めて顔をぐりぐりさせる。口が緩む、また泣きそう、どうしよう、すごく嬉しい。
「僕、それくらい毎回くすぐったいんですよ」
少し得意げに聞こえる鬼男君の声。
よし、今度からもっと言う数を増やしてあげよう。そしてもっと大きな声で。
俺の存在がキミの中に入って出て来れなくなるくらい俺を伝えてあげるから。
後悔なんて絶対、しないように。
「お茶…冷めちゃいましたよ」
「別にいいよ、後で淹れなおして鬼男君」
「後で、ですね。分りました」
明日からはまた辛辣な秘書と仕事なのだから
時には、こんな甘い時間を優しいキミと一緒に過ごしても罰はあたんないよね。
「あと、お菓子も」
「仕方ないですね、なにがいいですか?」
「…鬼男君が作ったお菓子」
俺が思い出したように肩に顔を埋めたまま言うと
鬼男君はヨシヨシと俺の頭を撫でてくれた。
「時間かかりますよ?」
「いいよ、待ってる」
「じゃ、作ってきますね」
鬼男君はお菓子を作るために俺から離れて給湯室に向かった。
ゆっくり離されたのに、鬼男君の温もりがすぐに消えちゃったことに驚いた。驚いた自分に驚いた。
俺は慌てて机の上で伸ばせるだけ腕を伸ばして鬼男君の袖を引っぱった。
「……俺も一緒に作る」
鬼男君は後ろにクンッて引っぱられて振り向いた、引っぱったことは何も言わないで
仕方ないなぁって顔で笑ってくれた。太陽の光みたいにあったかい笑顔だった。
「生地、焦がさないでくださいね」
そう言ってまた歩き出す鬼男君。
俺は机から降りて今度は背中の見える後ろじゃなく、顔も見える鬼男君の横に並んで歩いた。
きっと今日のお菓子とお茶は今までで一番美味しいものができる。
だって俺と鬼男君が作るんだよ?美味しいに決まってる。
どんな時間も大切な人となら幸せ。
それはキミがここに来て、キミに教えられたこと。
俺の秘書で居てくれて、ありがとう。
これからもよろしくね。
end
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*いつか届く詩*
時の流れは流るる大河ように
命の流れは過ぎ行く季節のように
記憶の流れは熔けて消える氷のように
同じものは二度と、生まれることはない
だからこそ大切なんだよ。と
初めて教えてくれたのは貴方でした。
「初めまして、俺が閻魔大王だよ」
僕が鬼として貴方の秘書となった時。
緊張で固まる僕をよそにニコニコと握手を求める姿は
見事に僕のイメージをぶち壊してくださいました。
「鬼男君!今日はピクニック行こう!!」
仕事なんて二の次三の次、これでいいのかと思うときもありました。
準備を万端にして明るく喋る貴方は、それでも閻魔大王。
けれど永久に冥府の王として生き続ける重圧の中、何故貴方は笑えるのですか?
「お、鬼男君ンン!血、血ィイィ!!」
少し怪我をした時なんて叫ぶわ気絶するわの大騒ぎ。
手当てをするまでえぐえぐと泣いていたのは見なかったことにしますから。
でも地獄の見回りの時だけは我慢して血の色を見る貴方に驚いたのは内緒です。
「っていうか、っていうか、っていうかフォーエバー!」
椅子を改造していたり、閻魔七つ道具の中身を知った時は愕然としました。
思わず爪を伸ばして大王みたいな偉い人を刺したのはこの時が初めてだった気がします。
そしてこの人には僕が居なくては、と再認識した時でもあります。
「鬼男君!なんで自分から言わなかったの?!」
僕が風邪をこじらせて寝込んだ時は大声で貴方に怒られた。
声が枯れていたせいでもあるが、ただ情けなくて僕はなにも言い返せなかった。
別の鬼に頼めばいいものを、貴方は仕事そっちのけで看病をしてくださいましたね。
「今日は鬼男君、先に上がっていいよ」
今だから言えますけど、珍しいことを言うなぁと正直不審に思っていました。
すぎたことをあれこれ言うつもりは無いですが、僕の自室で誕生日パーティやるなんて聞いてませんでした!
祝われて…嬉しかったことも認めますけど、もう同僚の鬼は誘わないでください。
「鬼男君、今日は善ゴメスと遊んでくる!」
「鬼男君の辛辣ー!」
「嬉しいよ、ありがとう鬼男君」
「鬼男君!俺、ツチノコ見た!!本当だって!」
「苦しいよ、でも苦しくったって前をみて歩いていかなきゃ」
「俺ね、鬼男君の横顔が好きなんだ」
「セーラー服は着てないって、観賞用なの!」
怒った時、感謝した時、驚いた時、見直した時、呆れた時…
貴方と共に見た景色はいつだって鮮やかな色で溢れていました。
笑顔、泣き顔、怒った顔、照れた顔、真面目な顔、哀愁の顔…
くるくる変わる表情を今でも鮮明に覚えていることに自分でも驚きます。
これが日常、これが何事にも変えがたい幸せの形なのだと気付いたのは随分後になってからのことでした。
そして今、僕の隣に貴方は居ない。
今の貴方の心にほんの少しでも僕は住まえているのでしょうか?
忘れてとは言いません。覚えていてとも言いません。
貴方は貴方のままで、幸せで居てくれればそれでいいのです。
貴方を愛した辛辣な秘書からの最期のお願いです。
僕が居なくても、どうか笑っていてください。
see you again
PR
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